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パエリアにガスパッチョ、生ハム、コシード、子豚の丸焼き・・・。
気取らない普段着のスペインから、ちょっとおしゃれなスペインまで。
マドリッド在住二人の日本人女性が贈る、スペイン 食の魅力。
   
 
 
   
 
     
 
     
 
 

8月のマドリードは、レストランやバル、市場や一般のお店も2週間から1ヶ月のお休みをとるところが多いのが目立ちます。また、大部分の人が夏休みでマドリードを離れるため、街中は閑散とした雰囲気。この時期は公的機関や大企業では、朝8時から午後3時までの集中勤務形態をとるところも多く、日頃は渋滞でストレスを感じるマドリード市内も、この時期ばかりは交通量も少なく穏やかなのが嬉しいです。

 

それにしても連日30度を越す猛暑のマドリード。その暑さを乗り切るために、夏ならではの屋外テラスが多数オープンし、都市にいながらちょっとしたリゾート気分が味わえます。 特に7月8月はホテルや美術館なども屋外テラスのレストランやバル、カフェテリアをオープンするので、この時期マドリードに残るマドリーッ子の楽しみの一つ。特に夜には野外劇場での演劇やテラスでの映画上映などエンターテイメントも多彩に揃ったマドリードの夏、海辺のリゾート地とは一味違った楽しみがあります。

   
 
     
 

7月30日から8月26日まで夏休みのためお休みすることを案内した張り紙。
普段の行きつけのお店も確認しないと夏休みで閉まっていることも。
夏のスペインでは、行きたいレストランなどは前もって開いているか確認したほうがいいですね。

     
 

夕方6時半ごろに撮影したもの。
木陰でも36度ありました。
暑い日には、夜中の1時を過ぎた頃からやっと30度を下回る日もあります。

     
 
 

待ち合わせや友達とのおしゃべりの場として大活躍してくれるオープンテラス。お水が霧状に噴出する装置がついた大きな扇風機。霧状の水が風に乗って振りまかれて、ほんとに気持ちいい。乾燥しているスペインならではです。

 
 

■マドリーッ子のテラス活用法
テラスの利用は概ね友達とのおしゃべり。ジュースやビールなど、飲み物一杯で、長い間おしゃべりに夢中のスペイン人達をよく見かけます。あまりに居心地がいいのでついつい長居してしまいます。そのためか料金設定も少しお高め。それでも冷房の効いた室内より、開放的なテラスを選択するのがスペイン流です。

 
 
 

左の写真はグラニサードgranizadoと呼ばれるフローズンドリンクで、カキ氷を飲み物にした感じです。多いのはレモン味。さっぱりした味わいで、暑い日にはもってこいの夏の飲み物です。 右の写真はオルチャータhorchata。チュファと呼ばれる、バレンシア特産のカヤツリ草の根のコブをすり潰して作った甘いミルクのような飲み物です。初めて飲んだときの印象は、”うっ、ちょっと苦手かも・・・“。甘みがあって、ちょっと青臭いといえばいいのか、なかなかうまく説明できない不思議な味です。しかしミネラルたっぷりで健康にもよいオルチャータ。飲み慣れるとこれがないと夏が来た気がしません。
オルチャータはフローズンの場合と普通の液体の場合とがあり、写真は普通の液体のものです。

 
 
 
 

このような張り紙や、 “グラニサードあります Hay granizado”や ”オルチャータあります Hay horchata”の張り紙を見ると、本格的な夏到来という感じがします。

     
 
 

テラス席をよく観察してみると、朝早くからテラス席にいるのは概ね外国人か朝食をとる旅行客。昼間や夕方の暑い時間帯は、テラス席も閑散としています。日陰を十分に確保しているところはいいのですが、パラソルがあっても太陽の日差しが差し込むところはほんとに暑い。夜のみオープンするテラスも多数あります。
スペイン人はというと、概ね夜に利用することが多いようです。ヨーロッパ大陸最西端にあるスペインでは、夏は夜9時過ぎくらいになってやっとほの暗くなりかける程度。スペインの夏の夜は本当に長いです。暑さも手伝って、夜中の12時を過ぎていても、まだまだ家に帰る気配はありません。それどころか空いているテラス席を見つけるのが大変なくらいです。

 
 
   
 

■ホテルの屋上でリゾート気分
グラン・ビア通りにあるホテルの屋上テラス、ここでも飲み物一杯でおしゃべりに興ずるグループが。
ソファー席あり、ビーチチェアありでさながらリゾート気分です。日本のビアガーデンとは一味違った雰囲気ですね。また屋上にあるため、車の騒音が聞こえないのが何より嬉しい。飲み物はソフトドリンクやビールだと4ユーロから。写真はフレッシュオレンジジュースとダブルの生ビールです。暑いので、ワインのように味わって飲むものよりも、どうしてもゴクゴク飲めるものを選んでしまいます。メニューには生ハムやチーズ、サラダなど比較的簡単なものは注文できるようでしたが、食べている人はほとんど見かけません。夕食はまた別の場所で改めてとることが多いようです。

 
 
 
 
 
 

屋上から眺めると、普段見慣れたマドリードも新鮮に感じます。
マドリードは以外に高層にあるレストランやカフェが少ないので、屋上テラスは貴重なスポット。 奥にはビーチチェアもあり、都会にいながらリゾート地にいるような気分です。

     
 

ソファー席には常にお客さんが。
ソファーに座ってゆっくりしたいときは、早めに出かたほうが良さそうです。
9時を過ぎた、少し涼しくなるころからはかなり混みあってきます。

     
 

■テラス席で楽しむ食事
プラド美術館前のプラド散策道から続く、レコレートス散策道、カステジャーナ散策道は緑も多く、夏の間はこの通りにあるレストランやカフェの多くがテラス席をオープンします。そんな中で今回友人と訪れたのはヘミングウェイも通ったという歴史のあるカフェ ヒホン Cafe Gijon。 お手軽なランチもテラス席で食べるとちょっと優雅な気分になるのが不思議です。

   
 
 
     
 

ランチに含まれている飲み物のビールも特大ジョッキで出てきます。お昼からこんな大きなジョッキでビールを飲んでいるんですね。
夏にはお馴染みの赤ワインのソーダ割り、ティント・デ・ベラノももちろんあります。

     
 
     
 

一皿目に選んだのはエンダイブのサーモン、ロックフォールチーズがけと冷静野菜スープのガスパッチョ。ガスパッチョにはトマトやキューリなど体を冷やす野菜がふんだんに使われています。

   
 
 

2皿目はペスカディージャと呼ばれる白身の魚のフライとサーロインと野菜の串焼きです。 それほど凝ったメニューではありませんが、 ランチメニューとしては十分な量でお腹いっぱい。 満腹感とけだるい暑さがシエスタを誘います。

     
 

夜8時過ぎくらいからは、ピアノの生演奏もあります。 テラス席でピアノの音色を聞きながらの夕食とはなんともお洒落です。

     
 

もう一件、ここは私のお気に入りのテラスです。カサ・デ・アメリアという主に南米に関する映画やイベントを催している機関の中にあるカフェのテラス席。夏のみのオープンです。 食事が出来るのは夜だけですが、比較的安価でおいしい食事が楽しめます。

     
 
     
 

夕食なのでちょっと軽めにと選んだのは、生ハムとサルモレホ(ガスパッチョをもう少し濃くしたもの。コルドバの名物)のカナッペと野菜のクレープ包み。カナッペは上記の写真で一人分。二人分と間違えてもってきたの?と思ってしまう量です。野菜のクレープ包みは冷製ラタトゥイユが包まれています。添えられた野菜にかかっているお塩やオリーブオイルもいいものが使われており、食へのこだわりが垣間見えます。
一品料理にホタルイカのイカ墨煮も注文してみました。イカ墨を使った料理といえばパエリアやパスタがお馴染みですね。イカ墨には大量のアミノ酸が含まれているため、旨みや甘みがあるそうです。反対にタコ墨には旨み成分ガ含まれていないため、料理に使われることはないようです。 また、イカ墨には免疫力を高める効果や心臓行予防、癌予防の効果もあるそうです。もともとは敵を追い払うための墨に旨み成分が含まれているのは、敵がイカを食べていると錯覚させて、その間に敵から逃げているんだとか。
語源由来辞典によるとセピア色のセピアとはイカの墨から作る暗褐色の絵の具のことで、セピアsepiaの語源は「コウイカ」を意味するラテン語だそうです。確かにスペインでもコウイカをsepiaといいますが、今まで気が付きませんでした。

 
     
     
 

風が吹いても熱風ともいえるほど暑いスペインの午後。一番暑い時間帯はゆっくり休んで、無理にアクティブになる必要はないんですね。日が長いスペインの午後。ゆるーい時間の流れに身を任せ、至福の時を堪能するのもいいものです。

     
   
 

取材:山田さつき

   
   
   
   
   
   
   
   
   
 
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