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パエリアにガスパッチョ、生ハム、コシード、子豚の丸焼き・・・。
気取らない普段着のスペインから、ちょっとおしゃれなスペインまで。
マドリッド在住二人の日本人女性が贈る、スペイン 食の魅力。
   
 
 
   
 
     
 
     
 
 

スペインの大多数の人が夏休みの目的地として選ぶのが太陽と海。夏中ほぼ好天が約束されている地中海沿い、南部のアンダルシア地方、または東部のバレンシア地方へと大移動が始まります。

 

スペインも他のヨーロッパ諸国と同様に、年間1ヶ月の有給休暇がありますが、その使い方は近年変わりつつあるようです。以前は1ヶ月丸まる夏に休暇をとる人が多かったようですが、最近は夏に2週間、クリスマス休暇に1週間、その他の時期に残りを消化するといった、分散型の休暇をとる人も増えてきています。
行き先も以前は国内が主流でしたが、近頃は海外に出かける人も増えているとか。しかしなんといってもスペイン人の感覚では、夏は海!たとえ数日でも海で過ごさないと夏休みはなかったようなもの。例えば2週間の夏休みでも、海のない地方への海外旅行や国内旅行に全てを費やすことはしません。前半の1週間は海外で、残りは海で・・・というように、必ず海辺に行く日にちは別に取っているのです。
では、スペイン人にとって必要不可欠な海辺での夏休み、一体どう過ごすのかちょっと覗いてみたいと思います。

   
 
 

スペイン人の海辺での過ごし方というと、もっぱら浜辺で肌を焼くことに専念します。最近は紫外線の悪影響も少しは気にするようになり、特に子供達には注意を払っているようですが、大人の方はいくら日差しが強くても、こんがり肌になるまで浜辺で寝そべっています。そしてただひたすら何もしない。あまりに暑いとちょっと海に入ってまた寝そべって。 じっとしているのに飽きたら砂浜を散歩もするけど、ちょっと歩いたらまた寝そべって・・・の繰り返しです。

 

たまに本や雑誌、新聞を読んでいる人も見かけますが、どちらかというと少数派。私もスペイン人に習ってひたすら何もせずに浜辺にいることに。日中の日差しは強いのですが、海からの浜風が気持ちよく、暑さを感じさせません。何もしないということが究極の贅沢に感じます。

 
 
 
 

どちらも夜9時ごろの様子。日差しも落ち着き、動きやすい時間。子供達はまだまだ遊び足りない様ですね。

 
 
 

滞在形態も快適なホテル滞在からキッチンつきのアパートを賃貸したり、自分や家族、または友人所有の海辺の別荘を訪れたりと様々です。
スペインでの夏休みは家族単位での旅行が大多数を占めますが、充電期間のための夏休み、キッチンが付いていても食事は出来るだけ作りたくないのがお母さん達の本音です。

     
 

典型的な海辺のリゾートマンション

 
 
 

そんな海辺での楽しみというと“チリンギートchiringuito”と呼ばれる、日本で言えば海の家のようなところでの食事。なかでも一番人気はなんといっても新鮮なお魚類。炭火で焼いたものが格別に美味しいです。

   
 
 
     
 

サルディーナsardinaといわれるイワシやボケロンboqueronと呼ばれるカタクチイワシなど小さめの魚は手で食べます。
写真はイワシですが、皮もすんなり取れて、身も柔らかく、たまらない美味しさです。地中海沿いでは北部のイワシのようにそれほど油がのっていないので、あっさりしており、いくら食べても飽きません。

     
 
     

イカもそのまま丸ごと出てきます。豪快ですね。

 

アンダルシアでは魚のフライもよく食べます。手前がチャンケテchanqueteシラスのフライ。奥がカタクチイワシのフライです。

   
 

■海辺で食べるお米料理
お魚以外では、パエリアに代表されるお米料理がよく食べられます。魚の焼き物やフライなどを一緒に頼んで皆でつまめるものをワイワイ楽しみながら食べるのが至福のときです。

 
 

カタクチイワシ入りのアロス・カルドソarros caldoso。
アロスはお米、カルドソとは汁気の多いという意味です。
パエリアのように汁気が無くなるまで炊き込んでしまうのではなく、地中海漁師風おじやといった感じで、新鮮な魚介類のエキスがたっぷりです。
スペインのお米料理といえばパエリアが有名ですが、それ以外にもたくさんあるので、他のお米料理も是非試してみてください。

 

そうは言ってもやはりスペインで本場のパエリアも味わってみたいと思うもの。今回はせっかくの海辺ですので魚介のパエリアを食べ比べてみました。 さて、写真のパエリアはそれぞれ違うお店のもの。どちらが美味しそうですか?光の加減などもあってまったく同じ条件で撮影したわけではないのでちょっと不公平ではありますが、なんとなく違いがわかっていただけるでしょうか? 正解は、左の写真が美味しいパエリアです。いい具合に炊き込まれていて、テーブルに運ばれてきたときに思わず”ワー、美味しそう“と声が出てしまいます。 さて、右のパエリア。こちらは運ばれてきたときの反応が“えっ、こんなはずでは・・・・”と、しょぼんとなってしまうパエリアです。炊き込み方も甘く、汁気の残っている部分を見ると、着色料で色をつけているのも明らかで、味も見た目通りでした。
魚介のパエリアが1人12ユーロ。 ロブスター入りで1人18ユーロ。 (最低2人前から) リゾート地といってもそんなに高くはありません。 写真のパエリアはどちらも1人12ユーロのもので2人分。

 
 
 

観光地でこのような失敗をしないためには、地元の人に聞くのが一番!観光で海辺にいるスペイン人は地元の人らしき人に“新鮮で美味しいお魚が食べられるのはどこ?”“パエリアを食べたいんだけど、どこに行けばいい?”とごく普通に聞いています。 人に聞くのが無理な場合はお客さんの客層に注目してください。もちろん一番確実なのは地元の人が多いところ。でも観光で来ている場合は見分けがつきませんよね。そんなときはスペイン人で賑わっているかどうか。この点に注意すればハズレの確立が減ってきます。食に関して口うるさいスペイン人が相手では、観光地といえどもそれなりのレベルを保たないとお客さんが来てくれません。下のパエリアを食べたお店はとても雰囲気のいい、外国人比率の高いリゾート地でのもの。しかし、雰囲気だけで選んではいけないという、いい経験になりました。

 
 

■スペインの夏に欠かせない、お馴染みの夏の飲み物

 
 

さて、日中は気温が40℃近くにも達するスペインの夏。頻繁に水分補給をする必要があります。 スペインの飲み物でよく知られているものに、サングリアがあります。赤ワインをオレンジジュース、レモンジュースで割り、オレンジの輪切りを入れたフルーティーな飲み物。スペインではベルモットやブランデーを入れたりします。しかし、一般的にはもっとお手軽な”ティント・デ・ベラノ tinto de verano“、夏の赤ワインと呼ばれる、赤ワインを炭酸ソーダで割っただけのものが好んで飲まれています。ティント・デ・ベラノは手軽なので家庭でもよく飲まれます。家では自分でワインの量を調節できるのがいいですね。ビールは苦手だけれども、ジュースやコーラじゃない何か冷たいものでのどを潤したいという時に最適です。

     
     
 
 

こちらはなんだかちょっと怪しげな入れ物に入った飲み物。“ポロン porron”と呼ばれます。中身はビール、白ワイン、炭酸ソーダが3分の1ずつだそうです。以前となりのテーブルで楽しそうに回し飲みをしているのをみて、頼んでみたくなり、今回初挑戦。
ビール、白ワインそれぞれが味を主張していてなんだか不思議な飲み物です。
飲み方も慣れるまでちょっと難しい。注ぎ口を口に付けてはいけないからタイミングが難しいです。こわごわ飲もうとするとこぼれてしまうので、思い切って飲んでくださいね。
今回写真のために協力してもらったのは、テレビコマーシャルにも出ている俳優のホセさん。さすが慣れたものですね。

 
 

毎日美味しいものを食べて飲んで、日頃のストレスを忘れて何もせずにゆっくり過ごす。本当に贅沢な夏休みです。
スペイン人はオンとオフの切り替えが本当に上手で、ついつい仕事をプライベートに持ち込んでしまいがちな私とは大違い。お休みは何もかも忘れてただただ楽しく過ごすことだけに専念するスペイン流を、自分の生活にも取り入れていきたいなと思った夏休みでした。

 
 
   
   
   
   
   
   
   
 

取材:山田さつき

   
   
   
   
   
   
   
   
   
 
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