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ボンボヤージュ!

レモングラスやミントといったハーブを、自分の庭からちょっと摘んで、そのままお湯を注いで楽しむ、というのはなんとも贅沢なイスラエル流ティータイム。街中のカフェでは、ケーキをほおばりながらおしゃべりしたり、本を読んだり考え事をしたりと、それぞれのスタイルでくつろぐ人々の姿に出会います。イスラエルの人々にとっても、お茶のひと時はたいせつな時間。そんな時間をすごすのにぴったりの、テルアビブのカフェとパティスリーをご紹介します

☆Cafe Little Prince(カフェ・リトル・プリンス)☆

テルアビブのメインストリートの喧騒から一本小道に入ったところにある、カフェ「Little Prince(星の王子様)」には、イスラエルの若手の詩人や文学者が毎日のように集います。実はこのカフェ、古本屋も兼ねており、店内に並べられた本はもちろん購入可能。詩の朗読会やコンサートといったイベントが催されることも。

熱心に本を読む人や、思索しながら紙に文章を書きつけている人など、本好きの人の持つ雰囲気は万国共通です。

ちょうどテラスでミントティーとチョコレートケーキを楽しんでいると、空から頭が痛くなるほどの爆音が。周りの人々はまるで気にしていない様子。その正体は、60周年の式典を控え、市街地の上空を飛んでいたイスラエル空軍の戦闘機。戦闘機が頭のすぐ上を飛ぶなんて非現実的な体験ですが、イスラエルの人々にとっては、これもまた日常なのです。

イスラエルのカフェでは定番の、フレッシュハーブのミントティー。色鮮やかなハーブに、強い日差しに疲れた体がほっと癒されます。

コーシャ製法で作られた、チーズケーキ、キャロットケーキ、チョコレートケーキ、ナッツやドライフルーツが香ばしいケーキは甘さ控えめでしっとり。

☆ハンガリー風ケーキ・クルトス☆

こちらは海岸に続く通り、ブグラショフ通りにあるパティスリー「クルトス(Kurtos)」。ハンガリーから移民してきた創業者が、このお店を開いたのが1971年のこと。以来、変わらぬ人気を誇るお店です。

 

チョコレートを練りこんだ生地に砂糖をたっぷりまぶし、10分ほど焼き上げます。表面がカラメル状になったところに、シナモンやピスタチオ、ココナッツや更にバニラシュガーなどをトッピング。焼きあがったクルトスは、冷める間もなく、次々とやってくる人々に手渡されていきます。

 

チクルトス専用のオーブン。店内は甘い香ばしいかおりで満たされています。

チョコレートを練りこんだ生地にさらに砂糖が。幸せの甘さです。

最後の仕上げのトッピングはたっぷりと。シナモンとピスタチオが人気です。

表面はカリカリで、なかがモチモチというパーフェクトな食感に、ちぎっては口に放り込む手がとまりません。表面のカラメリゼとピスタチオの香ばしさが口いっぱいに広がり、なんとも飽きさせない味わいに。長居してくつろぐカフェではないけれど、これは焼き立てを、熱いカフェ・オレといっしょに味わうのがベスト。店の前のテラス席でいただけます。ビーチから日に焼けた頬を輝かせて歩いてくる人々。口いっぱいに広がる焼きたてのクルトスの甘さ。そしてそれを分け合う友人。きらめく太陽の光をやわらかく届けてくれる木漏れ日。今持っているささやかで甘い幸せを、ゆっくりと味わえるカフェでした。

 
 

(文/酒井麻実 写真/新村真理)

   
   
   
 
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