■スタートの瞬発力
しかし地下のレストランにはメリットもあります。
新築の場合に限りますが、実は一時的に栄える力があるのです。
むろんその土地がどのような場所かによりますが、大地の旺気=エネルギーを受ける、というよりも包まれる状態になりますから、瞬間的にパワーがみなぎります。
客はそれに惹きつけられますし、シェフや従業員も店に来ると元気がでます。
繁華街の地下レストランが、開店早々にしばしば評判になるのはそのためです。
つまり、短距離アスリートのように、スタートでの瞬発力は期待できる。しかし、決して長続きはしません。
地下空間では「万全の換気を永続的に保つ」のは困難だからです。
なによりも、24時間の途切れることのない換気が必要で、また汚水や塵芥(ゴミ)を店内にとどめないのは前提条件となります。
■瞬発力でスタート・ダッシュ
だから、新規にオープンするならば、手始めに地下で開業し、その勢いをうまく取り込めば先々の発展のために良いスタート・ダッシュとなるかもしれません。
新しいビルなら、地下は7〜8年が見切り時。古いビルは基本的にお奨めしませんが、予算の関係でやむをえず店を構えなければならないのであれば、最大5年で移転すべきでしょう。
できれば、出入り口が一カ所しかない空間は避けたいところですが、地下の場合はとかくそういう構造になりがちです。
その場合は、ビルに常備されている換気装置の他に、独自に空気浄化機器を備えると改善できます。
そういった機器は、本当の浄化ではなくて、フィルターによる濾過なのですが、ある程度の効果は期待できるようです。
換気は浄化をもたらしますが、澱み(よどみ)は穢れ(ケガレ)をもたらします。
ちなみに、ケガレとは「気枯れ」のこと。気が枯れる、ということです。
レストラン空間の気が枯渇してしまっては、働く人のモラルも下がり、来店客も快適ではありません。
いずれにしても、レストラン空間はシェフの技量と無関係に劣化する、とも言えるので、絶え間ないメンテナンスは不可欠です。
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